2014-01-01から1年間の記事一覧
先週の日曜日、公開を待ちわびていた映画、「ストックホルムでワルツを」を観に行った。原題は「Monica Z」。スウェーデンの歌手、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた映画で、僕はそのことを数ヶ月前に音楽情報誌で知った。 モニカ・ゼタールンド・・・懐か…
キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンの新作デュオアルバム 『Last Dance』 を店頭で目にしたのは、確か6月の終わり頃だった。日本語に訳せば、単に「最後のダンス」なのだが、このアルバムタイトルに少し引っかかるものを感じて、ジャケットに記され…
アルヴォ・ペルトの音楽が生み出す静謐の世界に身をまかせていると、その扉を初めて叩いた日のことが不意に思い出された。それは僕にとって彼の音楽を知るきっかけだっただけではなく、ジャンルを越えた未知の音楽世界に迷い込む楽しさを知るきっかけでもあ…
◆それは、お日柄の良い日だった... ヘルシンキのシンボルといえば、ヘルシンキ大聖堂だろうか。この白亜の教会と、その前方に広がる元老院広場は思った以上に巨大だった。階段に座ってしばしくつろいだあと、建物の正面まで上がってみたが、開いているは…
静かな白夜だった。いや、正確には白夜とは呼べないのかもしれない。フィンランドの夏至祭は6月21日だから、そこからすれば随分日は短くなっているはずだ。それでも欧州大陸の最北の首都であるヘルシンキは、夜の9時を過ぎてもまだ西日が差し、通りすが…
そろそろここ近畿でも梅雨明け宣言が出るのだろうか。昨日まではなんだかはっきりしない感じだったし、出かける時は必ず傘を持って出て、ああ、やっぱりまだ梅雨なんだ、と納得するような天気だった。でも、今朝の天気図を見る限りは、いよいよ梅雨明けかな。…
透明感溢れるまっすぐなサックス・サウンド。北欧を思わせるひんやりとした感覚。だけど何故か温かい。そんなヤン・ガルバレクの吹くソプラノサックスの登場を、爪弾くように始まるキース・ジャレットのピアノは、完璧なまでにお膳立てする。最初の数小節を…
あー、コーヒー飲みたい...一日に何度かつぶやいてしまう言葉だが、今の気分はやっぱりサイフォンかな。そう思いながらまずは豆とミルを手にとる。かつては手動のミルでゴリゴリやっていたんだけど、最近は堕落して電動ミルを使い始めた。味気ないけどあ…
学生時代は英語が苦手だった。語学自体に興味もなく、高校受験や大学受験のために必要最小限のことを渋々学んでいる感じだった。もちろん英語で会話なんてできる気がしなかったし、その必要性さえ感じていなかった。ましてや、英語以外の言葉なんてどこか別…
ウグイスが鳴いている。もう随分鳴き方もうまくなって、安定した美声を響かせている。春も真っ盛り、ヒノキの花粉も真っ盛り、ついでにPM2.5も真っ盛りだ。近くにウグイスの巣でもあるのか、毎年この時期は、目を閉じ耳を澄ませば、「ホー、ホケキョ」、「ヒ…
あと2日で4月。新年度を迎えるこの季節は、毎年あわただしい。くるものへの準備と、ゆくものの始末。期待と不安、思切と懐旧。そして4月に入れば、あわただしい中にも、新しい風に乗った清々しい香りをほのかに感じ、少しホッとする時を迎える。 そんな感…
もう30年近く前の話になるが、大阪駅から環状線で3つ目のJR京橋駅に初めて降り立ったのは、就職のために大阪に来た日の午後だった。ここで京阪電車に乗り換えて、新しい生活をスタートさせる社員寮に向かうのだ。 京阪・京橋駅のホームまでは長いエスカレ…
寒いので冬眠中、と言いたい気分だ。でも熊じゃないので冬眠しててもおなかは減るし、仕事もあるのでおちおち眠ってもいられない。かくして、寒い中を朝も早くから、ぼそぼそ起きて活動するわけだけど、やはり寒いのは苦手だ。まあ、暑いのも苦手なんだけど…
2月14日のバレンタインデーが近づいてくると思い出すことがある。残念ながらチョコレートの話ではない。もう随分前のことだが、その日結婚式を挙げた先輩の披露宴で司会を任された苦闘の記憶がよみがえってくるのだ。その先輩Kさんは、大学の先輩であり職場…
ジャズ・ギタリストのジム・ホールが今年の1月に来日することを知ったのは、昨年の秋も深まった頃だった。大阪でのライブは予定されていなかったが、まさにこの週末、1月18日と19日は横浜と東京でベーシストのロン・カーターとライブの予定だった。伝説のデ…