Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

哀悼夜話

ラストダンス

キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンの新作デュオアルバム 『Last Dance』 を店頭で目にしたのは、確か6月の終わり頃だった。日本語に訳せば、単に「最後のダンス」なのだが、このアルバムタイトルに少し引っかかるものを感じて、ジャケットに記され…

ジム・ホールの肖像

ジャズ・ギタリストのジム・ホールが今年の1月に来日することを知ったのは、昨年の秋も深まった頃だった。大阪でのライブは予定されていなかったが、まさにこの週末、1月18日と19日は横浜と東京でベーシストのロン・カーターとライブの予定だった。伝説のデ…

花のワルツ

ツツジの季節ももう終わりなのだろうか。いつの間にか、リビングから見えるマンションの中庭に咲くツツジの花も、目立たなくなっている。連休の頃には、鮮やかな濃いピンク色が一帯を染め上げて、この時期ならではの華やかさを感じさせてくれていた。この少…

In Your Own Sweet Way

昨年の12月5日、ジャズピアニストであり作曲家でもあったデイブ・ブルーベックの訃報が流れた。92歳になる前日の訃報だった。モダンジャズの草創期に活躍した人であり、その時代のジャズ・ミュージシャンとしては長命だったと言えるだろう。イメージは無いか…

忘れることのない記憶

今日は3月11日。あの日からもう1年になる。地震の起こった午後2時46分から数時間の間に、2万人近くの人が命を落とし、悲痛の内に暮れた一日だった。 先週から一週間、テレビでも様々な映像が流されている。改めて、この災害の甚大さと深刻さ、さらに…

「9.11」と「3.11」

2011年9月11日。今日は二つの大きな出来事を思う日だ。 一つは10年前の9.11。世界を震撼させ、21世紀最初の年を暗雲の中へと導いた事件。あのアメリカで同時多発テロが発生した日から、もう10年...そんなにもなるのだ。 僕はその頃、公…

誠実さと好奇心と

もう何年も前から、ほとんど夢を見ない。平日はキュッとコンパクトに眠っているので、夢を見ている暇がない、ということかもしれない。では休日は? というと、やはり年齢とともに惰眠を貪れなくなってきたので、夢の量は相当減った。 10年ほど前に親父が急…

闇の中の光

2011年3月11日は歴史的な日になってしまった。 今日は13日。朝から暖かな日差しが降り注いでいる。 一昨日から起こっていることが嘘のような穏やかな日だ。 しかし、気分はどこまでも重く、落着かない。 自然は時にやさしく、時に厳しい。 人はその…

Reflection Eternal

あなたの音楽にはじめて触れたのはいつのことだろう。あるいはその前から出会っていたのかもしれない。当時の僕は仕事を通してもどこかであなたとつながっていたはずだ。 『Modal Soul』 。このアルバムが僕の手元に落着き、初めてあなたを認識した。たぶん…

野沢那智さんの訃報に接して思うこと

この日曜日に、俳優で声優の野沢那智さんが亡くなった。72歳、肺がんとのことだ。「野沢那智」と聞けば僕は直ぐにパックインミュージック金曜日「なっちゃこパック」を思い出す。これは、野沢那智(なっちゃん)が、同じく声優の白石冬美(チャコちゃん)…