Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

閑人閑話

平成の終わりを迎えて

今日で平成が終わる。僕はもちろん昭和生まれの昭和世代だと思っているが、よくよく考えると、生きてきた時間は今や平成の方が長くなっている。昭和が終わった日、僕は28歳だった。結婚3年目で子供はいなかった。就職して5年目。まだまだ何もわかっていない…

ゆく夏を惜しめない

ゆく夏を惜しむ。そんな表現が妙に懐かしい。今や、ゆく夏を喜んで見送ることはあっても、惜しむことなど、ほとんどなくなってしまった。夏によく行った海にも、今は全く行かなくなった。この夏帰った四国でも、一度も海に近寄らなかった。唯一海の表情を垣…

長い休日

久しく書いていなかった。いや、書けなくなっていたというのが正確だろうか。気がつけばそこから一年近くたっていた。 先日思い立って、これまで書いてきた内容を、最初からぱらぱらと追ってみた。だんだん先細りしてはいるものの、毎月必ずアップしてきた文…

雨の匂い

6月の夕刻。ずっと閉じこもっていた建物から一歩外に踏み出ると、一面低く垂れ込めた雲が視界を覆った。初夏の雰囲気さえ漂わせていた午前中の陽射しは完全に遮断され、梅雨であることを思い出させる舞台装置に、いくぶん気分も重くなる。 雲の流れは速い。…

未来は明るいですか?

ふわふわした、何だか落ち着かない新年だった。少しはそれらしくしようと飾りつけもして、久々に家族が一同に会しても、新年らしさは年々薄まるばかりだ。かつてのような特別な感覚に満たされることは、もう無いのかもしれない。さびしいことだけど... 元…

コーヒーはサンバとともに

あー、コーヒー飲みたい...一日に何度かつぶやいてしまう言葉だが、今の気分はやっぱりサイフォンかな。そう思いながらまずは豆とミルを手にとる。かつては手動のミルでゴリゴリやっていたんだけど、最近は堕落して電動ミルを使い始めた。味気ないけどあ…

サヴァ?/ Ça va?

学生時代は英語が苦手だった。語学自体に興味もなく、高校受験や大学受験のために必要最小限のことを渋々学んでいる感じだった。もちろん英語で会話なんてできる気がしなかったし、その必要性さえ感じていなかった。ましてや、英語以外の言葉なんてどこか別…

ウグイスの贈りもの

ウグイスが鳴いている。もう随分鳴き方もうまくなって、安定した美声を響かせている。春も真っ盛り、ヒノキの花粉も真っ盛り、ついでにPM2.5も真っ盛りだ。近くにウグイスの巣でもあるのか、毎年この時期は、目を閉じ耳を澄ませば、「ホー、ホケキョ」、「ヒ…

新しいものが生まれるとき

あと2日で4月。新年度を迎えるこの季節は、毎年あわただしい。くるものへの準備と、ゆくものの始末。期待と不安、思切と懐旧。そして4月に入れば、あわただしい中にも、新しい風に乗った清々しい香りをほのかに感じ、少しホッとする時を迎える。 そんな感…

シンフォニー・セッションズ

寒いので冬眠中、と言いたい気分だ。でも熊じゃないので冬眠しててもおなかは減るし、仕事もあるのでおちおち眠ってもいられない。かくして、寒い中を朝も早くから、ぼそぼそ起きて活動するわけだけど、やはり寒いのは苦手だ。まあ、暑いのも苦手なんだけど…

祝婚歌

2月14日のバレンタインデーが近づいてくると思い出すことがある。残念ながらチョコレートの話ではない。もう随分前のことだが、その日結婚式を挙げた先輩の披露宴で司会を任された苦闘の記憶がよみがえってくるのだ。その先輩Kさんは、大学の先輩であり職場…

暦の上では大晦日

12月に入ったばかりの頃...あ、そうか、まさに「暦の上ではディセンバー」なんやね、なるほどなるほど~と、まだ「あまちゃん余波」が少し残る中で思っていたんだけど...うかうかしているうちに、「暦の上では大晦日」まで来てしまった。例のごとく忙…

長浜ラーメンと尾崎亜美

先日、義父の七回忌に出席するため、久々に新幹線を使って福岡に帰った。九州新幹線が開通して以降初めての帰省だったが、結局今回も博多駅で降りて在来線を使ったので、直接その恩恵を受けたわけではない。博多から快速で数十分のところにある実家近くにも…

円い話と音楽と

石畳の道が好きだ。古い道だと申し分ないが、新しい道でも細かな工夫が随所に成され、周囲の雰囲気と相まっていい味を出している道であればいい。 そういう場所では、普段なら見過ごしそうな本来目立たなくていいものが、しっかりデザインされて景観の中での…

思いがけない瞬間

もうずいぶん前に読んだ「思いがけない涙」という短いエッセイが何故か心に残っている。既に亡くなられたと思うが、当時俳優でエッセイストとしても活躍していた三國一朗さんが書かれたものだった。三國さんはその中で、日頃いかにも「泣かせます」あるいは…

夏はホットにセルメンで

夏バテってわけでもないのに、体がだるい。なんだか喉の調子もよくないし冷房の風で少し寒気を感じるので夏風邪にでもかかり始めているのかな。ということで、昨日は葛根湯を飲んで早々に眠ったので、今日は少しいいかもしれない。実は明日から初めての信州…

TPPと音楽の関係

今日は、今まさに行われているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉のお話から、なーんて言うと堅苦しくて引いてしまうかもしれないけど、その中の僕がちょっと気になっている話題をひとつ。日本では著作者の死後50年の著作権保護期間が、米国同様70年にな…

AORの風 1980

初夏の風が吹いている。梅雨の季節だけど、この時期の晴れた日のさわやかさは格別だ。まだ朝晩は寒いくらいだし、昼間には気温も上がるけど、冷房を入れるほどでもない。開け放した窓を風が抜ける。心地いい風だ。 気持ちまでリフレッシュされるような空気の…

春の嵐

4月に入って最初の週末。遅れ馳せの桜でも観にいこうか、なんて思ってたんだけど、あいにくのこの天気。今年はどうも桜には縁が無さそうだ。 週末をすっぽり覆いそうな勢いの春の嵐は、先週の初め頃から予報されていた。2日後の天気だってあまり正確じゃな…

休眠打破

窓の外に穏やかに漂う空気、ふんわり包み込むやわらかい日差しは紛れもなく春のそれである。例年以上に寒い冬だと少し前まで思っていたのに、ニュースでは、この週末にも桜が満開だと連呼している。観測史上2番目の早さだそうだが、どうもピンとこない。紹…

天井を見上げながら

先週月曜日の「成人の日」。「休日返上でミーティング」までは良かったんだけど、風邪の初期症状もあって、どうも調子が悪かった。僕はあまり熱の出る方じゃないのに、帰宅後測ると38度を越えていて、翌朝になっても熱は下がらず、筋肉や関節が痛くて全身だ…

フィンランドへの思い

フィンランドを訪ねてみたい。時々そんなことを思う。北欧の地に未だ足を踏み入れていないことが原因かもしれないが、それがノルウェイやスウェーデンではなく「フィンランド」なのは、恐らくシベリウスの故国を感じてみたいという思いが、僕の心の何処かに…

一期一会だけじゃなく...

外は大嵐。台風が紀伊半島の東側を通過中だ。さすがに今回は、尖閣諸島から竹島方面に抜けるコースは遠慮して、うんと日本の中心に寄ってしまった。これは何かを表してる?なんて事はなくて、単にそういうシーズンが到来したって事で...しかし、まともに…

柚子胡椒でどて焼きを

今日は何故か柚子胡椒のお話。 いまやポピュラーな香辛料になってしまって、どこに行っても手に入るようになった柚子胡椒だが、ほんの十年ほど前まではここ大阪ではなかなか手に入らない貴重品だった。我が家では柚子胡椒の消費スピードが半端なく速いので、…

ラスト・リゾート

どうしていつもこうなるんだろう、なんて思いながら、ひたすら溜まりに溜まった宿題を片付ける日々。子供の頃、夏休みの終盤はいつもこんな感じだった。あ~、こんなことなら、早いうちにちゃんとやっておけばよかった...毎回そんなことを思っていた気も…

様々な音に溢れた驚きの島々

昨日は、土曜日だというのに朝5時前に目が覚めた。金曜日の夜は休日恒例の夜更かしをせず、さっと寝てしまったので、体が休日仕様にならなかったようだ。そういえば、ロンドンオリンピックの開会式があったな。観てみようかな、と少し頭痛気味の頭を起こし…

再会

昨日の土曜日、懐かしい人にお会いした。23歳で学生生活を終了し、今の会社に仕事の場を得て以来、十数年に渡って僕の直属の上司だったOさんだ。当時一緒に仕事をしていた2人の元同僚も含め、4人でお昼に待ち合わせをして、ゆっくりと会食をした。 16年ぶり…

梅雨と紫陽花

朝から雨が降り続いている。梅雨の雨だ。一面雲に覆いつくされた梅雨空は、天文学者を絶望的な気分にさせ、農業関係者を喜ばせる。痛い雨、うれしい雨...かつて野球場で弁当を販売する業者の一喜一憂の話を聞いたことがあるが、敏感にならざるをえない職…

穏やかな日々

穏やかな日差し。穏やかな風。半袖だと少し肌寒さを感じるが、日よけに軽く羽織ったシャツが肌に触れてもサラリと心地よく、暑さを感じるわけでもない。さわやかな気分で目を閉じ、まぶたの裏の光をぼんやり感じていれば、幾分初夏の香りを含んだ大気が鼻腔…

冬来たりなば...

「春」がなかなか来てくれない。いつまでもコートが手放せないし、暖房だってつけっぱなしだ。時々少しだけ顔を覗かせたりもするんだけど、恥ずかしそうにこちらの様子をうかがっては、さっとまた扉を閉じてしまう。いくらなんでも、もうすぐ4月って時にそ…