Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

You Belong to Me

 ゴールデン・ウィークも過ぎて、何か楽しい話でもできればいいんだけど、何だかそういう気分でもないので、今日は前回の続きということで。

 前回、聴きたい一心で引っ張り出してきたカセットテープの話をした。両面にドゥービー・ブラザーズの2枚のアルバムを録音したもので、そのB面に入っていたアルバム 『Minute By Minute』 をCDで買い直したという話だった。このアルバムは1978年のリリースだが、A面に入っていたのは、その前年のアルバム 『Livin’ on the Fault Line(邦題:運命の掟)』 だった。実は前回、インデックスカードを眺めながら、A面のこのアルバムも少し地味だったけどいいアルバムだったよなあ、などと思い返していた。

図1

 そういえば、このアルバムを録音した頃は、4曲目の「You Belong to Me」がたまらなくクールで、この曲ばかり何度も聴き返したことがあったよなあ...そんな思いもあって、連休中タワーレコードに行った際、このアルバムもCDで買い直した。


Livin’ on the fault Line(運命の掟) (1977) / The Doobie Brothers

 早速聴いてみると、一曲目、「You’re Made That Way」の冒頭の懐かしいエレピの音形から、あっという間に記憶が手繰り寄せられ、当時の気分に引き戻された。

  Link: You're Made That Way / The Doobie Brothers

 そうそう、この音、この声。思わず身を乗り出してしまう。途中から入るコンガも含め、次作に繋がる世界が既に出来上がっていたことを改めて思った。全般的にはおとなしめのアルバムだが、やはり4曲目の「You Belong to Me」は、最高にかっこいい。当時僕は、このミディアムテンポにパシッとはまったエレピサウンドマイケル・マクドナルドのくぐもった声に、完璧に魅せられてしまった。その頃感じていただろう新鮮みは失われているのだろうけど、今なお僕にとってこの曲はツボのようである。

  Link: You Belong To Me / The Doobie Brothers

 

 ところでこの曲、マイケル・マクドナルドがシンガー・ソング・ライターのカーリー・サイモンと共作したものだが、何故かこのアルバムからシングルカットはされなかった。その代わり、翌年、カーリー・サイモンがリリースしたアルバム 『男の子のように』 にこの曲は収録され、シングルカットもされて、ビルボードのヒットチャートで全米トップテン入りを果たしたのだ。


Boys in the Trees (男の子のように) (1978) / Carly Simon

  Link: You Belong To Me / Carly Simon

     (このライブ映像のバック演奏者はアルバムとは違います...)

 それによって、この曲の知名度も上がったのだろうけど、僕にとっては、どうもこのカーリー・サイモンによる「You Belong to Me」では、ドゥービー・ブラザーズの同曲でのようなシビレる感じにはならない。カーリー・サイモンのバックを務めているのは、当時大人気のフュージョン・グループ、スタッフのメンバーで、エレピはリチャード・ティー、ドラムスはスティーブ・ガッド、エレクトリック・ギターはコーネル・デュプリーとエリック・ゲイル。さらにはアルト・サックスにデイヴィッド・サンボーン、バックコーラスは当時の夫、ジェームス・テイラーと、まあ何と言うか豪華絢爛、申し分ないメンバーである。

 それでもやはり、パシッとツボに入ってこないのだ。世間一般には、この曲はカーリー・サイモンの曲、という認識の方が強いのかもしれないけど、どうも僕にとっては、マイケル・マクドナルドの声とエレピが必須条件のようである。

 

 さて、ここで唐突に当時の日本の音楽に飛ぼう。オフコースの1980年リリースのアルバム 『We are』 である。今回カセットテープを色々探しているときにこのアルバムを録音したものも見つけて、その流れで思い出した。インデックスカードには録音日が1980年12月14日になっているので、ドゥービー・ブラザーズのアルバムを録音してから半年後だ。


We are (1980) / Off Course

 このアルバムは、当時、どういう風の吹き回しか、ほぼ洋楽しか聴かない友人が持っていて、録音させてもらったものだ。確かオフコースはブレークして間もない頃だったが、彼ら自身洋楽への思いが強かったのか、音や編曲にその指向が表れていて、このアルバムでは西海岸の著名なミキサーにミックスダウンを依頼し、その作業のためだけにアメリカに渡ったということで話題になっていた。今では珍しくもないが、当時の日本では、ほとんど例がなく、とにかく音が違うというので勧められて録音したのだった。

 その音は、確かにあの頃の日本発の音楽の音ではなかった。特にドラムスやベースの音が洋楽を聴いているようなインパクトで迫ってきて、その前作の 『Three and Two』 も知っていただけに、ミックスダウンだけで、ここまで変貌することに衝撃を受けたことを覚えている。

 アルバム 『We are』 には、「時に愛は」や「Yes-No」のような、シングルとして売れた曲も入っているが、このアルバムの中で僕が最も好きだったのが、アルバムの最後の曲、「きかせて」だった。その曲を最初に聴いたとき、う~ん、これは「You Belong to me」の世界だ、と唸ってしまった。メロディーそのものは違うのだが、編曲やテンポの感覚から、恐らく、この曲を相当意識したんじゃないか、と思った。しかもカーリー・サイモンの盤ではなく、ドゥービーの盤。よって、同じようにツボにはまったのかもしれない。

  Link: きかせて / オフコース

 

 さて、登場から30年近くたった、2007年。再び、新たな「You Belong to me」に出会うことになる。それは僕にしてみれば予想外の音楽の中でだった。チャカ・カーンが久々にリリースしたファンキーアルバム 『Funk This』 だ。


Funk This (2007) / Chaka Khan

 そのアルバムの中に、なんと、マイケル・マクドナルドをフィーチャーした「You Belong to me」が入っていたのだ。

  Link: You belong to me / Chaka Khan feat. Michael McDonald

 何だか、アルバム全体では、この曲だけ少し浮いているような気がしないでもないが、紛れもなくマイケル・マクドナルドの「You Belong to Me」であり、チャカ流のそれでもあった。

 

 とまあ、いろいろ書いてきたが、やはり僕にとって、ドゥービー・ブラザーズの最初の「You Belong to me」は、特別なもの。いつまでも輝きを失わない音楽なのである。

 

 

 ※  アルバム写真は、Amazonサイトにリンクしています

 ※  Link: は、YouTubeにリンクしています 

 

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