Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

2015-01-01から1年間の記事一覧

今更ながら米原万里

今更ながら米原万里にはまっている。立て続けに4冊読んで、ついに手持ちが無くなった。禁断症状が出る前に早急に補給しなくては...ハアハア... 訃報に接してもう9年。そんなに経った印象は無いのだが、今や日めくりのスピードが確実に加速しているの…

雨の匂い

6月の夕刻。ずっと閉じこもっていた建物から一歩外に踏み出ると、一面低く垂れ込めた雲が視界を覆った。初夏の雰囲気さえ漂わせていた午前中の陽射しは完全に遮断され、梅雨であることを思い出させる舞台装置に、いくぶん気分も重くなる。 雲の流れは速い。…

You Belong to Me

ゴールデン・ウィークも過ぎて、何か楽しい話でもできればいいんだけど、何だかそういう気分でもないので、今日は前回の続きということで。 前回、聴きたい一心で引っ張り出してきたカセットテープの話をした。両面にドゥービー・ブラザーズの2枚のアルバム…

懐かしくも新しい

もう一年以上前のこと。突然テレビから流れてきたドゥービー・ブラザーズの「What A Fool Believes」を耳にして、不思議な感覚に陥った。目を向けると、キムタクが出てくる車のコマーシャルだったが、あの特徴的で軽快なイントロが30年以上の時を経てとても…

ドレス一枚と愛ひとつ

春を感じさせてくれるもの。その一つに、明るく響く弦楽合奏の音がある。誰もがそういう気分になるのかどうかはわからない。ただ僕自身のその感覚には、思い当たる記憶がある。 学生時代、3回生の3月末にチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」を、4回生の…

秋でもないのに...

秋でもないのに、「When October Goes」が無性に聴きたくなった。昨年もそうだったように、この時期、晩秋に通じるような感覚に陥ることがよくある。その背景を普段意識することはあまり無いのに、無意識に求める音楽から、ふと自分自身の心持ちに気づかされ…

The Other Side of Love

先日、今年の「耳鳴りミュージック・第1号」が個人的に発生してしまった。特定の曲やメロディーが耳について離れず、頭の中をぐるぐる回るようになり、ついには熱に浮かされるように無意識のうちに口ずさんだり、鼻歌で歌ったりしてしまって、「また同じ曲…

未来は明るいですか?

ふわふわした、何だか落ち着かない新年だった。少しはそれらしくしようと飾りつけもして、久々に家族が一同に会しても、新年らしさは年々薄まるばかりだ。かつてのような特別な感覚に満たされることは、もう無いのかもしれない。さびしいことだけど... 元…