Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年、今年の一枚は?

いよいよ大晦日。この一年は本当に様々なことがあった。通常なら一年の終わりの数日間は、その年の総括のようなことが色々行われるのだが、今年はとてもそういう風にならない。一旦終わって総括、とはいかないのだ。様々なことが今なお続いている。今も立ち…

アヴェ・マリア

明日はクリスマス・イブ。そういえば、今年はあまりクリスマス・アルバムを聴いていない。いつもは12月になると、新しく手に入れたその手のアルバムや、かつてのお気に入りをひっぱり出してきて流すのだが... 東日本大震災を筆頭に、今年は本当に色々なこ…

「すごい」アルバムに出逢いたい

暮れも押し迫ってきた。来週はクリスマス。この時期はやらなきゃならないことがいっぱいあって気持ちも焦り気味になるのだが、まだ何も手をつけられていない。年末年始をどうするのかも決めていなければ、年賀状も書けていない。仕事だって、とても一年を締…

感傷的な、あまりに感傷的な

感傷的、英語で言うと"sentimental"という言葉を冠した音楽はたくさんあるが、「感傷的な音楽」と言われて直ぐに頭に浮かぶのは、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽だ。「ニュー・シネマ・パラダイス」は1989年カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞…

読書の秋、「錦繍」の秋

「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すらできないことでした。」 蔵王、ダリア園、ドッコ沼、ゴンドラという4つの濁音で始まる名称が呼応し合い、少し毒々しいくらいに鮮やかな錦織…

ベネチアの小泉今日子

最近、ベッドに横になるとそのまま眠ってしまうパターンが続いているのだが、普段は枕元に、一編ごとが短めのエッセイ集を用意していて、少し余裕があるときはベッドの上で毎晩少しずつ読んで眠るようにしている。この眠る前に読もうと思うか思わないかが、…

ピアソラが残したもの

「この音楽は、ずっと前から聴いていた気がする...」 そんなはずはないのだが、初めてアストル・ピアソラの音楽にふれたとき、そう思った。昔から知っていたように懐かしく、それでいてとても新しい感覚の音楽。第一印象は「バッハのようだ」。最初からア…

Autumn Leaves に ときめく

先週は、まさに「秋~!」というような気持ちのよい天候が続いた・・・らしい。「らしい」ってなんやねん、と突っ込まれそうだが、太陽の出ている間、ほとんど外に出ていないのだから仕方がない。(まあ、囚人並みの生活、とでも言いましょうか...)でも…

さよならの言葉

「さよならの言葉」という曲をご存知だろうか。1977年の第13回ヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリを獲った曲である。この曲を作り歌ったのは小野香代子。彼女はその後すぐに海外に留学してしまい、レコードを出すことも、プロになることも無かっ…

心待ちにしてました!

先週、「フェルメールからのラブレター展」を観に行った帰り、四条・南座前の柱に、5月7日の僕のブログでも紹介した写真家、エリオット・アーウィットの作品展のポスターが貼ってあった。場所は、何必館(かひつかん)・京都現代美術館という、この四条通り…

フェルメール 秋の夜長に ポール・サイモン

昨日は、久しぶりに京都に出た。京都市美術館で開催されている「フェルメールからのラブレター展」を観るためだ。 いつもの同行者 (あ、うちの奥さんです) は午前中、大阪・梅田で所用があり、1時前には終わるとのことだったので、その後京都で落ち合い、…

ブログ一周年 そしてビル・エヴァンス

昨日、9月18日はこのブログをスタートして、ちょうど1年目。記念すべき日だった。たかが一年で何を大げさな、と思われるかもしれないが、この飽きっぽい僕にとって、未だ続いているというこの事実は一大事なのである (自分で言うのもなんですが...)。し…

「9.11」と「3.11」

2011年9月11日。今日は二つの大きな出来事を思う日だ。 一つは10年前の9.11。世界を震撼させ、21世紀最初の年を暗雲の中へと導いた事件。あのアメリカで同時多発テロが発生した日から、もう10年...そんなにもなるのだ。 僕はその頃、公…

道央の旅 (3) 「こぼれ話いろいろ」

◆ おいしくも残念な 「ガタタンラーメン」 富良野や美瑛なら旭川空港からが近いのだが、予約時点で既に満席だったこともあり、便数も多い新千歳空港から入った。到着後レンタカーの手続きで出発は昼前。それでも2時間弱で、富良野まで行けるだろうと思ってい…

道央の旅 (2) 「花と木と丘と」

夏の北海道は、期待にたがわず、美しく、美味しく、爽快だった。旅行の少し前は大阪でも多少涼しくはなっていたので、気温差に驚くようなことは無かったが、この体感する気分の違いは、恐らく湿度の差と、空気の成分の違いによるのだろう。(要するに空気が…

道央の旅 (1) 「森の時計」

8月も残すところ数日となった。子供の頃だと手付かずの宿題の山を前に途方にくれている時期だ。今年の夏季休暇はお盆に重なる1週間余りだったが、前半は愛媛の実家に車で帰省、後半「初めての」北海道旅行へと、西へ北へ慌しい日々を過ごした。 北海道に行…

妖しく魅力的なボサノバ

夏はボサノバに限る、などと言っておきながら、ぜんぜんボサノバなんて出てこないじゃないか。え?そこのところ、一体どうなっているのだ! ドン! とまあ、了見のやや狭いご忠告にお応えし、僕の机の横にうずたかく積みあげられている、直近聴き散らかした…

誤解だったのですね!

暑いんだかなんだかよくわからない7月が過ぎようとしている。変な夏だが...やっぱり暑い! 先週の金曜日に行ったスペイン居酒屋も「熱かった」が、前回ブログで書いたボビー・コールドウェルからの連想もあって、ほぼ同時期に流行った「暑いダンスフロア…

オリジナル盤とベスト盤の微妙な関係

ここ数日、冷房なしで過ごせる日が続いている。関西では、肌寒いというほどでもないが、台風が熱気までも引き連れていってくれたかのように、気温も湿度も快適に保たれている。今日も朝からさわやかな風を肌に感じながら、いい気分で目覚めることができた。…

月を見ている

月を見ている。 白熱球のように白っぽく輝く満ちた月が、静かな空に頼りなく置かれている。 その明るさに星は存在感を押さえられ、月はますます孤独に輝く。 どこからか薄い雲が忍び寄り月を隠そうとする。しかし今日の月にそんなものは通用しない。何も無か…

マッコイ・タイナーのピアノが連れてきたもの

どの季節が好き? こんな質問をかつてはよくしたし、された気がする。なぜかこの質問をするときは、相手は恐らくこう答えるだろうと予測していることが多かった。4つの季節は、人の印象と結び付けやすく、その答えを聞いて、「やっぱり?」とか、「意外!」…

コルトレーンはお好き?

★ Album:Ballads (1963) / John Coltrane Quartet ジョン・コルトレーンのアルバム 『バラード』 を聴く時はいつも、陽の降り注ぐ大窓のある明るめのジャズ喫茶で、冷めかけたコーヒーを前に片肘をつき耳を傾けている気分になる。そこには幾分抑え気味の話…

即効性・元気が出るCD

いつかこのタイトルでアルバム紹介をしようと思いながら時機を逸していたが、最近様々な面で絶不調。いよいよ特効薬的CDを休日の目覚めに一発かけて、自然にみなぎる力に任せ、全てを忘れて飛び起き、頭も体も活性化させる時なのかも。ただしこの効能は超個…

雨とボサノバ

朝から梅雨らしい雨が降っている。目覚めとともに少しずつ覚醒していく耳の神経にわずかではあるが連続的な音圧を感じる。弱いホワイトノイズのような雨音のベールを剥ぎ取り、まだ少し疲労感の残った体を無理やり起こす。少し汗ばんでいるのだろうか。もう…

京都・美山を訪ねる

先週木曜日の夜の話。帰宅した後、「明日は歓迎会だから電車で行く」と、うちの奥さんに伝えていた。その後、深夜にも関わらず玄関を開け閉めする気配が...寝る前に、「どうしたの?」と聞くと、カーナビに行き先入力をしてきた、という。何を?「京都の…

雨の街を

雨が降っている。台風が近づいてはいるのだが、まだ穏やかな降り方だ。昨晩は土曜日だというのに深夜まで仕事でばたばたして、ようやくの休日。この調子だと今日は出かけられそうもない。ゆったりと本を読み、音楽を聴くには最高のコンディションだ。 「雨」…

ゴルトベルク三昧

先週の月曜日、きちんと合わせたはずの目覚まし時計が真夜中に突然鳴って起こされて以来、必ず一度夜中に目が覚めてしまう日が続いている。寝入って2時間半から3時間程度。少し心臓もどきどきしていて、再度眠るのに多少時間がかかるので睡眠不足気味だ。…

サウダーデの心

「サウダーデ(Saudade)」というポルトガル語をご存知だろうか。ブラジルでの方言「サウダージ」が楽曲のタイトルとして使われたりしているので、「知ってる」という人も多いだろう。このポルトガル語の意味を正確に表す日本語は無いと言われている。強いて…

やっぱりジャケットって重要です!

ゴールデンウィークもほぼ終わり、少しずつ気分を戻すべく、大量にたまった仕事メールなどを処理しつつ、ぽつぽつとリハビリを開始している。 今年は最後まで予定を立てる気分にならない休みだった。途中いろいろ考えたが、結局近場に出かけただけになってし…

清水界隈を歩く

一昨日、天気もよさそうだったので、散歩がてら京都に足を伸ばした。最近、通勤も8割がた車を使うようになって、運動不足も甚だしい。何か定期的に体を動かせればいいのだろうけど、その時間も取れそうにない。せめて趣味と実益を兼ねて散歩するくらいかな、…