愛聴曲ピックアップ
最近、新ショウガの甘酢漬けにはまっている。言ってしまえば、寿司屋のガリに近いのだが、多少甘みを抑え少し厚めにスライスしているので、サクサク食べられてどんなお酒にでも合う。本来は箸休めの一品なのだろうが、常に大量摂取の誘惑と戦っている。 そう…
ブラジルポピュラー音楽界(MPB)のレジェンド、カエターノ・ヴェローゾが2004年にリリースしたアルバム『A Foreign Sound』は、その日本盤タイトルである『異国の香り~アメリカン・ソングス』が示す通り、全曲英語で歌われる古今のアメリカン・ポップ・ソ…
ゴールデン・ウィークも過ぎて、何か楽しい話でもできればいいんだけど、何だかそういう気分でもないので、今日は前回の続きということで。 前回、聴きたい一心で引っ張り出してきたカセットテープの話をした。両面にドゥービー・ブラザーズの2枚のアルバム…
もう一年以上前のこと。突然テレビから流れてきたドゥービー・ブラザーズの「What A Fool Believes」を耳にして、不思議な感覚に陥った。目を向けると、キムタクが出てくる車のコマーシャルだったが、あの特徴的で軽快なイントロが30年以上の時を経てとても…
春を感じさせてくれるもの。その一つに、明るく響く弦楽合奏の音がある。誰もがそういう気分になるのかどうかはわからない。ただ僕自身のその感覚には、思い当たる記憶がある。 学生時代、3回生の3月末にチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」を、4回生の…
秋でもないのに、「When October Goes」が無性に聴きたくなった。昨年もそうだったように、この時期、晩秋に通じるような感覚に陥ることがよくある。その背景を普段意識することはあまり無いのに、無意識に求める音楽から、ふと自分自身の心持ちに気づかされ…
先日、今年の「耳鳴りミュージック・第1号」が個人的に発生してしまった。特定の曲やメロディーが耳について離れず、頭の中をぐるぐる回るようになり、ついには熱に浮かされるように無意識のうちに口ずさんだり、鼻歌で歌ったりしてしまって、「また同じ曲…
透明感溢れるまっすぐなサックス・サウンド。北欧を思わせるひんやりとした感覚。だけど何故か温かい。そんなヤン・ガルバレクの吹くソプラノサックスの登場を、爪弾くように始まるキース・ジャレットのピアノは、完璧なまでにお膳立てする。最初の数小節を…
シモーネ・コップマイヤーは、1981年オーストリア生まれのジャズ歌手だが、ちょっと鼻にかかった歌声と、程よく力の抜けた感じが僕は結構好きで、翌日が休みの日の深夜、その歌声にそっと聴き入ることがある。特に2004年にリリースされた彼女のセカンドアル…
ジャズ・ギターの音色を、しっかりと認識したのはいつだっただろう。先日、ウェス・モンゴメリーのアルバムを聴きながら、そんなことを思った。思い当たったのは、学生時代。たまたま友人の部屋で聴いたジム・ホールの超人気盤 『Concierto』での演奏だった…
最近、友人のBさんが、今や人気・実力ともに5本の指に入るであろうジャズピアニスト、ブラッド・メルドーのライブに行ったと聞いて、あまりにもうらやましく、彼の音楽に出会った頃の話でもブログに書いて憂さ晴らしをしようかな、ジャズの話も書きたい頃…
今週、11日の水曜日。朝、何気なく新聞の社会欄を見ていると、最下段の訃報のところに、ひっそりと見覚えのある名前が記されていた。アレクシス・ワイセンベルク氏。フランスのピアニストで、8日スイス・ルガノの医療施設で死去。享年82。死因は不明だが、約…
先週は、まさに「秋~!」というような気持ちのよい天候が続いた・・・らしい。「らしい」ってなんやねん、と突っ込まれそうだが、太陽の出ている間、ほとんど外に出ていないのだから仕方がない。(まあ、囚人並みの生活、とでも言いましょうか・・・)でも…
「さよならの言葉」という曲をご存知だろうか。1977年の第13回ヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリを獲った曲である。この曲を作り歌ったのは小野香代子。彼女はその後すぐに海外に留学してしまい、レコードを出すことも、プロになることも無かっ…
先週の月曜日、きちんと合わせたはずの目覚まし時計が真夜中に突然鳴って起こされて以来、必ず一度夜中に目が覚めてしまう日が続いている。寝入って2時間半から3時間程度。少し心臓もどきどきしていて、再度眠るのに多少時間がかかるので睡眠不足気味だ。 …
チャイコフスキーの交響曲第5番を聴いている。先週に引き続き2度目だ。思えば震災後、体の受け付ける音楽が極端に限定されている。日頃、全方位型の聴き方をしているので、一時的ではあるにしてもその嗜好の変異から、気持ちの底に沈殿しているものの厚さ…
「ノラや」という内田百閒の随筆がある。百閒先生特有のちょっととぼけた文章で綴られる味わい深い連作集は、愛猫ノラとの出会いから始まる。その後ノラの失踪による捜索と落胆のどたばた劇、胸ふさがれるような悲痛な思いが、少し「おかしみ」を感じさせる…
先日、懐かしいアルバムをCDのデジタルリマスター盤で買いなおした。中学生の頃、ネスカフェのCMで流れていたその曲は印象的だった。歌謡曲全盛の時代。テレビから流れてくるのは日本の流行歌ばかりだったので、僕は、その短いながらも心引かれるメロディ…