Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

旅の話

ペルトのいた街

アルヴォ・ペルトの音楽が生み出す静謐の世界に身をまかせていると、その扉を初めて叩いた日のことが不意に思い出された。それは僕にとって彼の音楽を知るきっかけだっただけではなく、ジャンルを越えた未知の音楽世界に迷い込む楽しさを知るきっかけでもあ…

ヘルシンキでのこと、あれこれ

◆それは、お日柄の良い日だった... ヘルシンキのシンボルといえば、ヘルシンキ大聖堂だろうか。この白亜の教会と、その前方に広がる元老院広場は思った以上に巨大だった。階段に座ってしばしくつろいだあと、建物の正面まで上がってみたが、開いているは…

ヘルシンキは静かな街だった

静かな白夜だった。いや、正確には白夜とは呼べないのかもしれない。フィンランドの夏至祭は6月21日だから、そこからすれば随分日は短くなっているはずだ。それでも欧州大陸の最北の首都であるヘルシンキは、夜の9時を過ぎてもまだ西日が差し、通りすが…

海から山へ

いつから海よりも山が好きになったのだろう。子供が手を離れて、帰省の理由が子供がらみではなくなった頃からだろうか。山と言っても登山をする山ではない。緑あふれる森や高原も含めた、海と対極を成す広義の山のことだ。 子供の頃は夏といえば海一色だった…

道央の旅 (3) 「こぼれ話いろいろ」

◆ おいしくも残念な 「ガタタンラーメン」 富良野や美瑛なら旭川空港からが近いのだが、予約時点で既に満席だったこともあり、便数も多い新千歳空港から入った。到着後レンタカーの手続きで出発は昼前。それでも2時間弱で、富良野まで行けるだろうと思ってい…

道央の旅 (2) 「花と木と丘と」

夏の北海道は、期待にたがわず、美しく、美味しく、爽快だった。旅行の少し前は大阪でも多少涼しくはなっていたので、気温差に驚くようなことは無かったが、この体感する気分の違いは、恐らく湿度の差と、空気の成分の違いによるのだろう。(要するに空気が…

道央の旅 (1) 「森の時計」

8月も残すところ数日となった。子供の頃だと手付かずの宿題の山を前に途方にくれている時期だ。今年の夏季休暇はお盆に重なる1週間余りだったが、前半は愛媛の実家に車で帰省、後半「初めての」北海道旅行へと、西へ北へ慌しい日々を過ごした。 北海道に行…