明日は、クリスマスイブ。今年は絶好の金曜日だ。バブルの頃にこのシチュエーションだと、街は真夜中まで人であふれ、ホテルは予約で満杯、ちょっと遅くまで飲むとタクシーが拾えない、という狂騒状態だったのだろうが、今はそんな時代でもなく、きっと普通の金曜日なのだろう。あたりまえですが。
とはいえ、やはり街はクリスマス一色に染まっている。先週の土曜日、色々用事を済ませるため梅田に出て、いつもの散歩コースも回ったが(ディアモール大阪~阪急周辺~ハービス・エントあたり)、なかなか落ち着いた飾り付けが成されていた。このあたりまでだと、ここもなんだかいい感じの街になってきたなあ、と思う。今、大阪駅とその周辺が大々的に工事中だが、これが完成するに従って、人の流れも大きく変わっていくんだろうな。楽しみな反面、お気に入りの場所は雰囲気を壊さないで欲しいとも思う。
さて、前回ティル・ブレナーのゴージャスなクリスマスアルバムを紹介したばかりだが、今日は一転シンプルな一枚、今年リリースされた中で僕のお気に入りのクリスマスアルバムを紹介したい。9月20日のブログで、マイケル・ジャクソン・トリビュート盤、「Never Can Say Goodgye」を紹介したトレインチャの、できたてほやほやのクリスマスアルバム 『This Is The Season』 だ。
夕刻になって歩き疲れ、いつものジャズ・バーの扉を開けると、パラパラとお客さんが座っていて、軽く食事をしている人もいる。その横をすり抜けて、いつも座るカウンターへ。スコッチをロックで注文し、ひとくち口に含んだところで、右手のライブスペースから静かに音が鳴り始める。見ればギター一本とボーカルの女性のみ。ギターの落着いたイントロがなり始め、ボーカルの女性が少しハスキーな声で、お気に入りのクリスマスナンバーを歌い始める...とまあ、こういった感じ、といえばいいのかな。
バックは、前回と全く同じ、レオナルド・アムエドの奏でるギターと女性コーラスのみ。ほぼ前作の延長線上にある。即ち、彼女は前作で一躍クリスマスアルバムを世界に問えるほどに脚光を浴びた、ということなのだろうか。
やはり、キーは選曲にある。前作同様いい選曲だと感じる。スティービー・ワンダー、ダニー・ハサウェイ、マライヤ・キャリー、ナタリー・コール、デビッド・フォスター、ルー・ロウルズ、ジャクソンファイブ、ジョン・レノン、カーペンターズ・・・これまで、幾多のアーティストがクリスマスをテーマにしたオリジナル曲を世に出しているが、その中で彼女のお気に入りのナンバーをセレクトしているのだろう。「Joy To The World」のような、いわゆる定番曲も入ってはいるが、その影は薄まっていて、一年を通して聴いてもおかしくない感じに仕上がっている。
どの曲も、その良さを再認識させられるが、特にお気に入りは、「Miss You Most (At Christmas Time)」(マライヤ・キャリー)、「Grown-up Christmas List」(デビッド・フォスター)、「Happy Xmas ( War is Over )」(ジョン・レノン)。そして、懐かしいカーペンターズのクリスマスアルバムから「I'll be home for Christmas」...この歌にならって明日は早めに家に帰るかな...そんなことも思わせてくれる、素晴らしいナンバーだった。
そして、ギター。このジャズの枠にとらわれない変幻自在のギターは、前回同様本当に素晴らしく、トレインチャの声にマッチさせながら、決してその構成を感じさせない大きな音楽を創っている。このギターにして、この世界は成り立っている、と言っても過言ではない。
最後の曲「Let It Snow」が終わって無音で一分ほど待つと、どこにも載っていない 「White Christmas」が流れてくる(間違っても終わってしまわないことです)。粋な隠しアンコールソングを聴きながらとことんリラックスしてアルバムは終了。いやー、誰が何と言おうと今年のベストクリスマスアルバムです!ぜひご一聴を。
<おまけ>
ぶらぶらしながら街でみつけたクリスマスです
<関連アルバム>
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