Jerrio’s Cafe ~ 気がつけば音楽が流れていた

 店主 Jerrio の四方山話と愛聴盤紹介。ジャンルの壁を越え、心に残った音楽について語ります。

2011-01-01から1年間の記事一覧

酒とバラ(?)の日々

最近の本格焼酎(乙種焼酎)の、ブームを超えた拡がりには、ただただ驚くばかりだ。今でこそ、ここ大阪でも芋焼酎や麦焼酎なんてめずらしくはないが、バブル華やかなりし頃、それを飲むことのできるお店を探すのは一苦労だった。条件は、芋か麦の焼酎が常備…

ハナレグミは「離れ組」

今日紹介の一枚は、ハナレグミの 『あいのわ』 だ。このアルバムについては、3月12日、13日あたりで紹介しようと思っていた。その前週、「サヨナラCOLOR」について書いたのだが、そこではハナレグミやその音楽についてはほとんど書けず、消化不良気味...…

誠実さと好奇心と

もう何年も前から、ほとんど夢を見ない。平日はキュッとコンパクトに眠っているので、夢を見ている暇がない、ということかもしれない。では休日は? というと、やはり年齢とともに惰眠を貪れなくなってきたので、夢の量は相当減った。 10年ほど前に親父が急…

チャイコフスキーを聴く

チャイコフスキーの交響曲第5番を聴いている。先週に引き続き2度目だ。思えば震災後、体の受け付ける音楽が極端に限定されている。日頃、全方位型の聴き方をしているので、一時的ではあるにしてもその嗜好の変異から、気持ちの底に沈殿しているものの厚さ…

闇の中の光

2011年3月11日は歴史的な日になってしまった。 今日は13日。朝から暖かな日差しが降り注いでいる。 一昨日から起こっていることが嘘のような穏やかな日だ。 しかし、気分はどこまでも重く、落着かない。 自然は時にやさしく、時に厳しい。 人はその…

サヨナラからはじまること

いよいよ3月。外気はまだまだ冷たいが、今日は日差しが暖かい。卒業シーズンの到来だ。「卒業」といえば、一昨年の夏、卒業30周年ということで開催された高校の同窓会に出席した。450名ほどいた同期生全員が対象の同窓会だった。かつては「同窓会になんか出…

Reflection Eternal

あなたの音楽にはじめて触れたのはいつのことだろう。あるいはその前から出会っていたのかもしれない。当時の僕は仕事を通してもどこかであなたとつながっていたはずだ。 『Modal Soul』 。このアルバムが僕の手元に落着き、初めてあなたを認識した。たぶん…

Like a Star

最近、CDショップや音楽雑誌で「女子ジャズ」という言葉が目に付く。偏狭な「おやじジャズ」と対比すると面白く、ちょっと商業主義っぽいけれど、裾野拡大という点では歓迎すべき傾向だと思う。 そういえば昨年のこと。会社の宴会で参加者のキャンセルが出た…

初心者チェロ弾き、夢のつづき

朝起きると本降りの雪。リビングから見下ろせるマンションのパティオも、芝生の部分は既に一面真っ白になっていた。大阪での積雪は3年ぶりとのことだ。 外では朝から子供たちの声がする。見ると白く滑らかだった雪面に、点々と足跡がつき始めている。時間が…

どうして僕はいかなかったんだろう...

「ノラや」という内田百閒の随筆がある。百閒先生特有のちょっととぼけた文章で綴られる味わい深い連作集は、愛猫ノラとの出会いから始まる。その後ノラの失踪による捜索と落胆のどたばた劇、胸ふさがれるような悲痛な思いが、少し「おかしみ」を感じさせる…

草食系チェットがボサノバを生んだ?

「草食男子」なんて言葉を聞くと、ヤギがもぐもぐ草を食んでいる映像が頭に浮かんできて、つい「肉食えよ、肉!」なんて、茶々を入れたくなってしまう。 中性的とも言われるチェット・ベーカーの声は、今風に言えば草食系だ。決してがんばらない、アンニュイ…

「ルーシー・リー展」に想う

昨日、ルーシー・リー展に行ってきた。場所は中之島の中央公会堂前にある大阪市立東洋陶磁美術館。ひとりの陶芸家の展覧会のために出かけるのは初めてだった。特に陶芸に傾注しているわけではないのだが、以前たまたま目にしたルーシー・リー(1902-1995)を…

やさしく歌い続けて!

先日、懐かしいアルバムをデジタルリマスター版のCDで買いなおした。中学生の頃、ネスカフェのCMで流れていたその曲は印象的だった。歌謡曲全盛の時代。テレビから流れてくるのは日本の流行歌ばかりだったので、僕は、その短いながらも心引かれるメロデ…

すぐき的一枚 「UTAU」に酔う

正月休みも終わり、先週、仕事もスタートしたが、未だ年始のしっぽを引き摺っている。休み明け以降、寒波はここ大阪にも居座っているが、緩みきった体に少しずつネジを締めていくにはちょうどいい。栄養価の高い食べ物とアルコールを無条件に受け入れてきた…

謹賀新年

2011年は幸先よく幕を明けた。 元日の朝は6時頃に目が覚めた。大晦日のアルコールが少し残っていて、もう少し眠ろうかとも思ったが、頭が冴えて眠れず起きることにした。寝室を出てリビングに移り、部屋を暖かくしながら配達された分厚い新聞に目を通す。大…